WFPチャリティー エッセイコンテスト2024

入賞作品発表

最優秀賞

ミャンマーの子供たちに食事とアウンを
東京都 渋谷区立神宮前小学校 6年
川本 知武さん

 僕はミャンマーの人の作ったご飯を食べたことがあります。その人はヨーシュさんといって、日本のレストランで働いています。そのレストランがミャンマーにお店を作るので、ヨーシュさんはミャンマーのお店で働けるように一生懸命がんばっていました。僕と母がお店に行くと、ミャンマーの家族は日本に来られないし、知っている人が来てくれたのは初めてでうれしいと、美味しい料理をたくさん出してくれました。ヨーシュさんは本当に喜んでくれました。
 ヨーシュさんのお店に行ってから6年がたちました。まだヨーシュさんは日本にいます。母が言うには、アウンサンスーチーさんが捕まり、戦争が激しくなって、お店が出せないそうです。ヨーシュさんが日本で一生懸命覚えた美味しい料理は、まだミャンマーの人々に届けることができません。
 「アウン」という名前はミャンマー人に多いそうで、ミャンマー語で「勝利」だそうです。僕にとってこの戦争が勝利に終わるのは、ヨーシュさんがミャンマーに帰って、ヨーシュさんの美味しい料理をたくさんの子供たちが食べることです。それがミャンマーの子供たちのアウンだと思います。
 ウクライナやガザなど世界中で戦争が起きています。戦争を起こした大人たちは子供から食事を取り上げました。食事はただ体に必要なだけでなく、作った人の愛があります。子供たちは食事を取り上げられ、愛がなくなっています。
 子供にとって戦争の勝利とは、愛情のある料理を毎日食べられるようになることだと思います。大人はもっと戦争が終わるように努力すべきです。
 ミャンマーの子供たちに食事とアウンを。そして1日も早くヨーシュさんがミャンマーに帰って、子どもたちにヨーシュさんの愛のある料理を食べさせてほしいです。

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  • 【選者のコメント】
    湯川 れい子さん(国連WFP協会顧問 音楽評論家・作詞家)
    読んでいて涙が出ました。ミャンマーではアウンサンスーチーさんが逮捕されて戦争が激しくなり、日本で働いているミャンマー人の料理人のヨーシュさんは、家族が待つ国に帰れません。アウンという名前は「勝利」という意味だとか。戦争は子どもたちから食を取り上げてしまったけれど、真の勝利とは子どもたちが愛ある料理をお腹一杯食べられる事です。ヨーシュさんが一日でも早く、愛する家族の元に帰れますように、と祈ります。
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