「パパあ〜…ママあ〜…もっと会いたいい〜。」
あれは、私が小学二年生の頃。病院に半年以上入院した事があった。集中治療室にいたから、パパとママに三十分しか会うことができなかった。寂しくて悲しくて常に泣いていた。この時、私は、半年以上ご飯を食べることができなかったから、鼻に栄養の管を入れていた。なぜ入院していたかと言うと、重症の肺炎になり、気管切開をせざるを得ない事態になってしまったからだ。大好きな家じゃなくて、真っ白な天井の病室にいる日々はとてもつらかった。周りにはいろんな機械の音や知らない人たちばかりでとても心細かった。
この時の夢はパパとママとずっと一緒にいることだった。
「学校に行きたい。」
「パパとママと食べ歩きもしたい。」
「焼肉が食べたい。」
など他にもたくさんの夢があった。
苦しい治療にも耐えた。寂しさにも耐えた。空腹にも耐えた。
半年後、先生から、
「何でも食べていいよ。」
と言われて、一番最初に食べたのは、念願の焼肉。パパとママは泣いていた。私が笑顔で幸せそうに食べている姿を見て。私は、もう、幸せだなぁと思い、私も泣きながら食べていた。
五年生になった今、毎日ご飯も学校の給食も食べられて幸せ。けど、一番の幸せは大好きな家族や先生、友達と一緒に食べるご飯。これが私の心のワクチン。
食べることは当たり前じゃない。今、コロナでなかなかしゃべりながら食べられなくて、すごく残念だけど、早く前の楽しくてワイワイしてる日常を取り戻したい。そして、この当たり前じゃないという思いを大切に日々過ごしていきたい。
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ふなっしーさん
選ばせて頂いた理由として、
本人の辛い体験からくる本当の食事を摂ることが大切なのかがよく伝わり胸を打つ作品でしたなっしー
家族と食べる焼肉の情景が幸せそのものでしたなっしー