夏休みに家庭科で「カレーを作ろう」という宿題が出ました。今まで料理をした事は無かったけれど、どうしても食べてほしい人がいました。それは、おばあちゃんです。
今年の二月におじいちゃんが他界してからおばあちゃんは一人ぐらしになりました。今まで料理が好きで、おじいちゃんのために色々作っていましたが、最近は作るのも食べるのも面どうになってしまったそうです。
「おいしいね」
と喜んでくれる人がいない食事は味気ない、と言っていました。元気の無くなったおばあちゃんに、わたしの初めての料理で、元気をあげたい、と思いました。
メニューは「カレー」と決まっていたので材料で一工夫しようと思いました。まず、かみやすいように肉をひき肉にしました。栄養がたくさんとれるよう、色々な野菜を入れることにしました。いろどりもきれいになるようナスや、赤、黄色のパプリカを選びました。玉ねぎは甘みが出るよう、茶色っぽくなるまでがんばっていためました。ナベの熱さと夏の暑さで、お母さんに手伝ってほしくなりましたが、おばあちゃんの事を想ってがんばりました。じっくりにこんで、ルウを入れたころ、おばあちゃんがやって来ました。
キンキンに冷えた氷水を飲んでから、カレーを一口パクッ。おばあちゃんの顔がキラッ
それからニコッ。とても大切そうにゴクン。
「すごくおいしい!上出来!」
おばあちゃんが大きな声で言ってくれました。いつも一人で食べているから、大勢で食べる食事は本当に楽しい、と。
帰宅したおばあちゃんから電話があり、「おいしかっただけでなく、その気持ちが何よりうれしかった。おばあちゃんのとっておきごはんに任命!」と言ってくれました。初ちょう戦のカレーはわたしにとっても、「とっておきごはん」になりました。
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審査員特別賞 | »小学生部門賞 | »中学生・高校生部門賞 | »18歳以上部門賞 |
ふなっしーさん
今回はどれも力作で悩みましたなっしー
大野さんを選ばさせて頂いた理由は、とにかくおばあちゃんに対する愛情が感じられる文章だったなっしー
おじいちゃんを亡くしたおばあちゃんを励ますために色々工夫してカレーを初めて作るお孫さんの努力する絵が浮かび、凄く微笑ましかったなっしー
食べ物の有り難みと家族の繋がりがよく見えてくる非常に素晴らしい作文だと思いますなっしー♪