WFPエッセイコンテスト2013 入賞作品

中学生・高校生部門賞 「給食の思い出と私の役割」
神奈川県 洗足学園中学高等学校 中学1年 金田 梨沙(かねだ りさ)さん
 私は、米国で生まれました。小学校二年生の時に帰国し、日本の小学校に転入しました。そこで一番驚いたのは、学校給食でした。米国の小学校の給食は、日本とはメニューも仕組みも大きく違いました。米国では、毎日似たメニューで、ピザやサンドイッチ、ブリトーなどでした。どれもあまり美味しくなく、その提供も使い捨ての食器類を使っており、食べ残しも食器も一緒に大きなゴミ箱に捨てていました。当時の私は、まだ小学校低学年であり、勿体無いとかエコという考え方は、全く持っていませんでした。初めて食べた給食は、魚のフライとご飯、小松菜のごまあえと牛乳でした。どれも美味しく、さらに驚いたのは、食器が全て回収されて再利用するという事、また牛乳パックの捨て方も畳み方があり、全生徒がそのルールを守る事でした。

 帰宅して母に話をすると、母の時代から給食はあり、日本人は昔から食べ物に感謝をし整理整頓を大切にするのだと教わりました。又、祖母の家を訪ねた時には、戦後日本では餓死する子供達がいたという事を教わりました。そして子供達の成長を助ける為に、米国の支援により給食が始まったと聞きました。私が生まれて育った米国に助けられて始まった給食が、その後日本で米国の給食を越えて素晴らしい文化となった点を大変誇りに思いました。今世界では、貧しい国で飢餓に苦しむ子供達が沢山いると勉強しました。昔日本が助けられた様に、今度は日本が貧しい国の子供たちを助ける番だと思います。そして私達が助けるということは、単純に食糧を送るだけでなく、日本の給食制度が大切にしている「食べるものに感謝し整理整頓を大切にする文化」を届けることが本当の支援になるのだと思います。私は、帰国生だからこそわかる日本の文化・給食の素晴らしさを世界に伝える事ができればと考えています。