WFPエッセイコンテスト2014 入賞作品

審査員特別賞(小学生部門) おじいちゃんの作る野菜
徳島県 徳島文理小学校 4年 齋藤 孝太郎(さいとう こうたろう)さん
 ぼくのおじいちゃんは、倉庫の裏にひみつの土地を持っている。小さな小さな土地だけど、おじいちゃんがじまんする野菜を作っている。
「孝太郎、この野菜は目茶苦茶高い野菜なんぞ。」
 穴の空いたなすび、まがったとげとげきゅうり、虫歯だらけのとうもろこし、ぼくの大好きなスイカは、カラスにつつかれて全めつしてしまった。

 おじいちゃんは、市内の家が建ち並ぶ場所に、ひっそりかくれた土地に畑を作っているんだ。土地の税金が高いという所で、野菜を収かくしては、ニヒッと笑いながら、一本百円もするなすびを作っている。
「だれが、百円もするなすびや買うんだ。大体なぼくなすびきらいなんや。もっと、ぼくの好きな果物作ってや。」って言っても作ってくれない。

 おじいちゃんは、ぼくが野菜きらいなのを知っているから、大きらいな野菜作っては、持ってきてくれる。こう言うのをありがためいわくっていうんだな。

 でもね。でもね。おじいちゃんの作ってくれた野菜が、ぼくの夕食にならぶんだ。きゅうりは水々しくて、トマトは少し固いけどあまいよ。ハンバーグに、小さくきざんだピーマンやなすび入り、そうこれなら食べれるよ。おいしい。おいしい。無農薬で安全安心な野菜だから、体にもいいらしい。作ってくれた人の愛情いっぱいだから、今日もおいしい夏野菜いただきます。

 ぼくの大きらいな野菜をいっぱい作ってくれるおじいちゃんへ、ありがとうね。おじいちゃんの愛情いっぱいの野菜をたくさん食べて大きく大きくなるからね。ぼくの野菜ぎらいも少しなくなったんだ。おじいちゃんのおかげかなって思う。